造影剤とは?

 造影剤とはCTやMRIで単純撮影(造影剤を使わない撮影)よりも見たい部位をはっきり見るためのものになります(コントラストをつける)。通常ではわかりにくに病気も造影剤の効果ではっきり見ることができます。

腫瘍性病変では造影剤による染まり方を見たり、周囲の血管の走行を見るために使われます。

他には下血や脳内出血、外傷の患者さんには出血部位を見つけるために使用したり、大動脈解離(血管が裂ける病気)では解離部位に前回と比較して広がっていないか見る目的で使用します。

 

 ただし、どんな病気も造影剤を使えばよく見えるようになるわけではないので注意が必要です!なぜなら、造影剤を使う必要のない患者さんには使わない方がいいからです。

 

 実は造影剤には副作用が発生する可能性があるからです。CTの造影剤では副作用の発生確率は3%くらいでMRIの造影剤では約1%くらいの頻度で発生すると言われています。発生頻度が違う理由はCTとMRIで使う造影剤が違うからです。

 

 CTではヨード造影剤、MRIではガドリニウム造影剤を使用します。

CTではX線を使うため、X線透過性を下げる効果があります。

MRIは磁場を使用しており、T1緩和時間とT2緩和時間を短縮させる効果があります。

 

 では、副作用には何があるかと言いますと、軽度のものだと「発疹、かゆみ、吐気」などがあります。重度では「血圧低下、呼吸困難、意識消失」があります。ヨード造影剤は浸透圧が高いため血管内に入ると、浸透圧のバランスを整えようとするため、血管内や体内から水分が集まり、血管が拡張するため熱感があります。

たとえ、軽度の副作用が発生したとしても2回目に造影剤を使ってまた副作用が発生すると1回目の副作用より重症化することがあります。

更に、副作用歴がある人はない人よりも副作用の発生確率が高いと言われています。

ヨード造影剤では副作用歴がなくても、喘息がある人や糖尿病の薬を飲んでいる人、甲状腺疾患のある人は造影剤の取り扱いには注意が必要になります。

ガドリニウム造影剤では腎機能が悪い(透析中)患者さんへの投与は腎性全身性線維症の危険があります。

 

 造影剤は比較的副作用も少ないですがゼロではないので、もし造影剤を使うことになった場合は心配なことは先生に質問してから検査を受けるようにしましょう!

  では、今日も読んでいただいてありがとうございます。

 おやすみなさい。